【幹事からの連絡】
●「創立記念例会」の開催について
　以下の日程で創立記念のリアル例会を開催いたしまし。
　早いものでRIの認証を受け、2730ジャパンカレントロータリーＥクラブとして活動して２年目が終わろうとしています。１年の活動を振り返り、来年に向けた話を会員みんなで語り合いましょう。
お忙しいと思いますが、スケジュール調整をして、是非ご参加ください。
　
　日　時：2016年6月19日（日）　11:00～12:00
　　　　　（例会終了後、可能な方はお残り頂き、皆で昼食を取る予定です。）
　場　所：都城メインホテル４F　地区事務所
　

「すべての母子の幸せを願って」

奉仕プロジェクト委員会　松元　直美

 
今月は、「母子の健康月間」ということで、桐明会長による「会長の時間」では、連続して母子のおかれた現状について取り上げて頂きました。
仕事をしながら子どもを懸命に育てている保護者と共に、その子どもたちの毎日に寄り添う保育士の立場から、思うことを書いてみたいと思います。
 
　現在、幼い子どもが家庭内における虐待により心と身体に大きなダメージを受け、命を奪われるニュースが後を絶たない現状にあります。子どもたちの命を守るためには、親を教育しなければならない、ただそれだけでよいのでしょうか。
そこに至るまでの原因のひとつに、「貧困」があると思います。
 
どんな親も、子どもの幸せを願っていると思います。子どもは愛されるために生まれてきました。しかし、貧しさ故に、ミルクを満足に飲ませてもらえない赤ちゃん、十分な食事もできず、成長著しい時期に栄養を摂ることができずにやせ細った子ども、親は外に働きに出ていて、寂しくて泣いても抱きあげて温めてもらうこともできない子どもが存在している現実があります。
また、育児不安を抱えたまま家庭に引きこもり、子どもの扱いに戸惑いながらも誰に相談することもなく、つい手を挙げてしまう親。
親は、子どもに愛情がないわけではない。しかし、解決方法を見つけられないまま、命の危険にさらされ、すぐにでも保護してあげなければならない状態になるまで、苦しんでいる子どもが地域の中で悲鳴をあげているのも事実なのです。
 
乳児院や養護施設等、親が養育できない子どもを家庭に代わって預かる施設もあります。ここでは、お腹いっぱいにご飯を食べさせてもらえて、親に代わって抱きしめてくれる保育士や看護師がいます。親が子どもを引き取る準備ができるまで、各家庭の状況に合わせた面会や外泊が行われ、家庭引き取りまでの丁寧な支援を受けることができます。
一時的に子どもと離れて、冷静になった親が自分を見つめる時間をもつことで、心の余裕が生まれ、改めて子どもへの愛情を取り戻すことができるのです。
そこに繋ぐ児童総合相談センター、こども福祉課の相談支援もあります。保育所でも、いつでも育児相談を受ける体制を整えています。
今は、子どもを地域・社会全体で育てていくのが当たり前である。そのことを、広く伝え、「助けてくれる人がすぐ近くにいるよ。あなたはひとりじゃない！」と、早く知らせてあげたい。そして暗闇の中の親子を救ってあげたいと思っています。
 
「子どもは親を選んで生まれてくる」、胎内記憶をもった子どもの話をきいたことがあります。生まれる前の記憶があって、「お母さんの役に立ちたいと思ってお母さんのもとにやってきたの」「お母さんを助けるために生まれてきたの」と話す子どもがいると。私が保育園で受け持った子どもの中にも、「まっくろいトンネルを通ってお母さんの所にきたよ。明るくてまるい光がみえた」と話してくれた子どもがいました。
 
子どもにとって親は特別な存在なのです。
「子どもは愛されるために生まれてきた」、その前に、「子どもは親に愛を伝えるために生まれてきてくれた」このことを感じずにはいられません。
 
　虐待を受けた子は、親を責めようとはしないそうです。自分を責めるそうです。親に愛されないことを悲しむよりも、親の思いに応えられない自分は、生きる価値がないと感じてしまいます。その子どももあえて虐待をする可能性がある親を選んだのでしょうか。命の危険にさらされながらも、あえてその親に愛を伝えるために、親が成長するためにやってきてくれたのでしょうか。
 
親の元に生まれてきてくれた子どもがどれほど親を愛しているか、どれほど親を求めているかを知った時、子どもを慈しむ心、愛しく思う心、抱きしめてあげたいという想いが溢れてきます。
子どもは、親を困らせながら大きくなります。赤ちゃんは泣くことでしか自分の欲求を伝えられません。子育ては楽なことではありません。しかし、子どもはその時期に与えてもらった愛はしっかりと受け止めていて、心が育まれているのです。そのぬくもりはきっと子どもに温かいものとして届いています。言葉が話せない赤ちゃんも、「ありがとう」の気持ちを笑顔で伝えてくれているのではないでしょうか。
 
子どもは、大きな可能性をもった素晴らしい存在であり、私たち大人を包むほどの大きな愛をもった存在であることを、全てのお父さん、お母さんに伝えてあげたいと思います。