今回のメインプログラムは、先月開催された2022-23年度RI第2730地区地区大会の第2本会議における青少年部門の活動紹介において、吉永会員が地区ローターアクト委員として発表された原稿を掲載いたします。地区ローターアクト委員として、ローターアクトOBとしての想いと願いを込めた発表となっております。皆さまにもぜひ読んでいただきたいと思い、メインプログラムとして取り上げさせていただきました。よろしくお願いいたします。
ローターアクトクラブについて
地区ローターアクト委員会 委員 吉永由香
ロータリアンの皆様、イマジンロータリー!
2730ジャパンカレントロータリーEクラブの吉永由香と申します。
今年度、地区ローターアクト委員を務めさせていただいております。
本来であれば、ここは現役のローターアクト会員が活動報告を行うべき場ですが、地区ローターアクト委員会の吉留委員長よりローターアクターからロータリアンになった経験から話をしてほしいと依頼されました。
皆さんと一緒にローターアクトの必要性を考えていければと思い、引き受けさせていただきました。
ローターアクトを提唱されているクラブの方も、提唱されていないクラブの方も、ローターアクトについて考える機会としていただけましたら幸いです。
私は都城市在住で、20代の10年間、都城ローターアクトクラブに在籍していました。
そして、ローターアクトクラブを卒業して8年後、ロータリーEクラブ設立の際にお声をかけていただき、入会して9年目を迎えました。
ローターアクトクラブの活動については、コロナの影響でローターアクトの会員が減少していると聞き心配していました。今年度は地区代表も選出出来ていないという状況を知り、ローターアクトクラブの活動について、寂しい気持ちと何とか盛り上げられないかと考えていました。
私の経験を通して、ローターアクトについてお話をさせていただきますが、少しでも2730地区の青少年奉仕、ローターアクト活動に関心をお持ちいただければと思います。
そもそも、ローターアクトクラブってどんなクラブ?何をしているの?と思われている方もいらっしゃると思います。
私たちローターアクト出身メンバーが「ローターアクトに入会してどうだった?」と聞かれると「楽しかった」という意見が多いのです。
その為、「ローターアクトクラブは楽しいクラブ」というイメージが先行しているように思います。それは間違いではありません。しかし「楽しさを追い求めるだけのクラブ」ではありません。
「楽しい」が先行すると、SNSが発達したこの時代、ローターアクトクラブに入らなくても楽しいことはいくらでもあるからローターアクトクラブに入る必要はない、すなわち、会員増強は難しいという話を聞きました。そして、ロータリークラブの皆様も「楽しむ為のクラブを支援する」となると、ローターアクトクラブを提唱する必要性を感じなくなってしまうのではないでしょうか。
では、ローターアクトクラブとはどんなクラブなのでしょうか。
ローターアクトクラブにもロータリークラブと同じように、各種委員会があります。
それぞれの委員会が例会を担当し、例会の中身について検討を重ね、運営を行います。
自クラブの例会の運営、そこから一歩踏み出すと近隣クラブとの合同例会、そこからグループ合同例会、そして地区全体の会員が集まる年次大会(これはロータリークラブで言う地区大会です)。
このように、自クラブだけの活動から、地区レベルの活動まで経験する「機会」があるのです。
様々な人と関わり、運営について学び、裏方の大変さを知り、達成感を味わい、結果的に「楽しかった」となるのだと思います。
ロータリークラブで職業奉仕は職業に奉仕すると学びました。青少年奉仕とは青少年に奉仕する。
私はここでいう「奉仕」とは「育成」と捉えました。
これから社会人となる、あるいは社会人となっている20代の人たちに、社会人としての常識、リーダーシップ、例会や行事などの企画、準備、運営などを学んでもらい、職場で或いは地域でその力を発揮する人たちを育成する場、それがローターアクトクラブだと思います。
つまり、ローターアクトクラブとは「次世代のリーダーを育成するクラブ」なのです。
今年度のジェニファー・ジョーンズRI会長のテーマは「イマジンロータリー」です。
ではここで、皆さん想像してみてください。
自社の社員が
・指示待ちではなく、率先してやるべきことを考えるようになる社員になったら。
・リーダーシップを発揮し、グループをまとめられる存在になったら。
・企画書、予算書、議事録、スケジューリング、パワーポイントなどの資料作成、
ZOOMでのWEB会議などのITスキルが上達し、それを仕事に生かせるとしたら。
・ロータリアンを始めとした様々な人達との対人スキルを持っているとしたら。
そんな人材が居たら良いと思いませんか?
ローターアクトの活動を通してそれが可能になることを私は実感しました。
しかしそれは、ローターアクトクラブに入会した全員がそうなる訳ではありません。
私は地区役員を経験することによって、それを学ぶ機会を得ることが出来たと思っています。
自分達が活動していた頃は、それを学んだ先輩から後輩に引き継がれていたので、ロータリアンが事細かに指導しなくても、継承される仕組みがあったように思います。まさに、薩摩藩の「郷中教育」のようなものです。
現在は、会員の減少とともにそれがなくなり、アクト歴も短く、分からない会員で模索、悩んでいる状態になっているのではないかと思います。
今こそ、ロータリアンの助言が必要なのではないでしょうか。
ローターアクトクラブという活動の場を提供するだけでなく、「育成」に関わっていただきたいのです。
ここで、都城ローターアクトクラブが昨年Facebookに投稿していた記事を一部ご紹介したいと思います。
7月第二例会では、当クラブの親クラブになります、都城ロータリークラブの皆様との意見交換会を行いました。
今回は、ローターアクト委員会委員長、ロータリークラブ会長、幹事、部門長、インターアクト委員会委員長の5名の方々にご臨席賜りました。
アクト活動の要となる例会について、いつ、どのタイミングで何を行うか年間計画を元に説明し、それに対して適宜アドバイスを頂きました。特に、ロータリーとローターアクト、インターアクト(高校生)とローターアクトを繋ぐためには、双方の理解と協力が必須となります。その為にはまず、都城ローターアクトの活動内容の広報が不可欠という結論に至り、ロータリーとインターアクトに活動への協力を呼びかけることから始めることにしました。
また、ロータリーとの繋がり強化として、卓話だけでなくその他の例会も気軽に参加して欲しいという思いも告げたところ、ロータリアンの方々がアクトの例会への興味を示してくれたのが何よりも嬉しかったです。
「この例会は何をするの?」「何故この時期にこの例会を?」などなど多数の質問にお答えしている中で、内容吟味や時期変更などの収穫がありました。特に、集客を見越した例会の開催時期や、ロータリアンから見た例会の印象などは大変参考になり、例会の見方が変わりました。自分達が楽しむのはもちろんですが、第三者の印象も知るきっかけとなり、例会案内の仕方についても工夫を凝らしていこうと思います。
また、SNSを活用した広報など、若者ならではの意見に賛同して頂いたり考えを展開したりと、とても有意義な意見交換会となりました。
投稿は以上になります。
この投稿を見て、私はまさに理想的な関係だと思いました。
ローターアクトの活動は、自主的なものであることはもちろんですが、その活動がより良いものになる為に、知識と経験を活かしてロータリアンが助言をすることはとても重要だと思います。
またそれらを行うことで信頼関係が生まれます。
私が、都城ローターアクトクラブに在籍していた時にローターアクトクラブを解散するという話が出たことがあります。
当時、会員は4~5人程度で少なかったのですが、自分達なりに充実した活動を行っていると自負していました。
しかし、昼間のロータリークラブの例会に参加することが難しかったと言えば言い訳になりますが、提唱ロータリークラブへの活動報告を行っていなかったのです。今思えば当然ですが、ローターアクトクラブは何をしているか分からない、なくしてもいいのではないかという声があがったとのことでした。
当時の私たちの選択肢は3つでした。
- ①近隣クラブに移籍する。
- ②ローターアクトクラブという枠にとらわれないで、自分達で今まで通りの活動を行う。
- ③ロータリアンを説得する。
誰も「辞める」とは言いませんでした。
「ロータリアンを説得する」を選択した私達は、当時の地区ローターアクト委員の方々にご協力いただき、提唱クラブの会長やローターアクト委員長に続けさせて欲しいとお願いした結果、クラブが継続することになっただけでなく、新しい会員も紹介していただきました。
当たり前にあると思っていたものが、ロータリークラブが提唱しないと決めれば無くなってしまうものだということをその時に身をもって知りました。
それから後輩にはきちんと報告をするように引き継ぎました。
ロータリークラブの方々は、当時も今も顔を出せば歓迎して可愛がってくださいます。あの時、ローターアクトクラブを解散していたら、私はロータリークラブに入会していなかったでしょう。継続することを了承してくださった都城ロータリークラブの方々には感謝しています。
ローターアクトの地区委員を経験し、ロータリークラブに入会し、来年クラブ10周年の会長を務めさせていただきます。
ローターアクターからロータリアンになり、活動を通じて、より多くの方々との出会いや学びがあり、素晴らしい経験の機会をいただいております。
コロナ渦であろうと人材育成は必要なことだと思います。
ローターアクトの会員は、ロータリアンの職業について、経営や理念についてなどのお話しを聞くことが出来、ローターアクトの目的目標について学び、クラブ運営、企画立案、予算計画、実行などの助言を頂きながら、活動が出来ます。
また、基本的な活動は自分達の会費で賄いますが、提唱クラブからの助成金、地区の人頭分担金から活動費が出ているものもあり、とても活動しやすい環境が整えられていると思います。
松本RI会長代理のお話にもありましたが、ローターアクターの若い力、行動力、発想はロータリアンも刺激を受け、お互いに高めあえると思います。
ローターアクトクラブの魅力が今の若い世代の方々に伝わり、将来のロータリアンが、ロータリーファミリーが増えることを願います。
ご清聴ありがとうございました。