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2022－2023年度　RI第2730地区
ガバナー　山ノ内文治（鹿児島RC）

皆さん　「イマジンロータリー」
国際ロータリー第2730地区ガバナーの山ノ内文治です。
74歳です。誇るべき知識はありませんが、人生経験だけは74年分もあります。
 
簡単に自己紹介をします。
私の鹿児島ロータリークラブ入会の動機は・・・
 
私の所属する鹿児島RCについて説明します。
鹿児島ロータリークラブは1952年（昭和27年）福岡RCをスポンサークラブとして九州で11番目、全国で89番目に創立され、1953年1月16日に国際ロータリーに加盟承認を受けました。今年で70周年を迎えます。その間6名のガバナーを輩出し今回私が7人目のクラブからのガバナーになります。会員数は70名（6月1日現在）で伝統的に例会のスタイルは創立以来大きく変えていません。月に1回夜間例会があり、親睦行事も観桜会やクリスマス家族会、社会奉仕活動も数多くありますが、何といっても姉妹クラブ友好クラブの数は地区内随一だと思います。海外2クラブ（韓国セ・ソウル、台北西）国内3クラブ（酒田、下関北、小樽南）と楽しく交流を続けています。伝統を守りつつも雰囲気の良いクラブが会員の自慢です。
 
私の両輪を紹介します。水淵地区幹事は鹿児島RCに平成17年7月入会で、2018－2019年度にはクラブ会長も経験しており、常に沈着冷静でリーダーシップもあり、地区の諸問題にも前向きに取り組んで頂けると思っています。
有薗地区財務委員長は鹿児島RCに平成18年7月入会で2016－2017年度のクラブ会長です。2011－2012年伊藤ガバナー年度にも地区財務委員長を経験しており、長年の金融機関経験もあり会計財務については安心して任せられます。
 
私の仕事ですが
職業分類は電気配電盤製作です。会社名は（株）明興テクノスと言います。
昭和21年創立以来、上水道、下水道、集落排水、発電所、ダム、学校、ビル、工場等各分野における電気設備の建設工事、各種配電盤製作を通じて、お客様の要望に応えています。最新のIT技術を駆使した、上下水道監視ネットワーク「TRUST」の開発を行い、県内はもとより九州各地の市町村の水処理監視に貢献しています。ロータリー活動の理念とも共通しますがCSR活動（企業の社会的責任）に取り組み、地域社会との絆を深めるため地域イベントや社会貢献活動にも積極的に参加しています。
 
私の趣味は、既にロータリーの友7月号にも掲載されましたが、主なものだけでも日本刀のコレクション、火縄銃の収集、ジャズ鑑賞、レコード収集、ゴルフ等です。趣味が高じて日本刀の展示室を社内に創りました。火縄銃は保存の傍ら日置鉄砲隊隊長を勤めて、妙円寺参りや仙厳園等で祝砲を撃っています。
 
さてここからが本番です。
2022－2023年度国際ロータリー会長ジェニファー・ジョーンズ氏は、当年度のテーマをIMAGINE　ROTARYとしています。
「想像してください、私達がベストを尽くせる世界を」
会員の積極的な参加を促すために、ロータリーには「適応と改革」が必要だとジョーンズさんは述べています。ジョーンズさんの住んでいるウィンザー市はかつてカナダの自動車産業の中心地でしたが、工場の閉鎖で数千人が職を失い、市は改革を迫られました。そこでウィンザー市は農業関連事業と、医療や宇宙航空の技術関連企業の誘致と支援に取り組み、いまではこの部門でカナダをリードする都市になりました。
ロータリーも変革を受入れ、各会員の参加を促すための適切な部品を見つける事、言い換えれば会員が積極的に参加し、やりがいのある責任を会員に与えることが必要だとジェニファー・ジョーンズ会長は言っています。
 
「私たちは今、果敢に、目的意識をもって行動し、リーダーシップを発揮できるかどうかが問われています。」
2023年までにロータリー会員基盤の30％を女性にするというRI理事会の目標達成のリミットが迫っていることにも触れ、110ヵ国以上で既にこの目標が達成されてはいるものの、世界全体での達成には程遠いとジョーンズ氏はいいます。2730地区での女性会員比率は現在10％程度です。女性会員を増加させて頂きたいと思います。
ロータリーが行ってきた奉仕活動に光を当てる。
いま世界は持続可能な環境・水と効果的な衛生設備、より充実した経済、質の高いヘルスケアへのアクセス、より多くの教育機会の実現をとメディアも政府も言っていますが、これは私達ロータリーが長年重点的に取り組んできたテーマです。
特に30年以上もの間、私達はポリオのない世界を想像してきました。こうしたロータリーの奉仕を世界に示すプロジェクトに光を当てていきます。世界各地を訪問する中では異なるメディアへのアプローチを行い、またいくつかの訪問では世界的なジャーナリストに同行してもらいロータリーのストーリーを伝えてもらいます。
 
ロータリーはつながりを生かして協力関係を深め、新たなパートナーシップを作り出していく必要があります。ロータリーではそれをあらゆるレベルで行うことができます。
私達には皆、夢があります。その実現のために行動するかどうかを決めるのは私達です。ロータリーのような団体がポリオの根絶や平和の実現といった大きな夢を抱くなら、
「それを実現させる責任は自分たちにある」として最後にこの言葉で締めくくります。
 
「昨日のことをイマジン（想像）する人はいません。それは未来を描くことです。」
 
次に地区の基本方針・活動計画を少しお話しします。
地区テーマは
「知力を高め　未来へ繋げ　多様性あるロータリークラブの実現に」にしました。
ロータリーに入会した頃、先輩ロータリアンから「入りて学び　出でて奉仕せよ」と口酸っぱく教えられました。今まさにロータリーの転換期にあたり、原点に立ち返りロータリーを学び、ジェニファー・ジョーンズ会長の方針である多様性を認める社会の実現に向けて、未来のロータリアンに夢を繋ぐという思いを込めて地区テーマにしました。
 
さて、日本のロータリー100周年ビジョン策定委員会は「日本のロータリークラブを元気にするには何が必要か」の提言の1番に元気なクラブづくりをあげています。国際ロータリーは2004年11月にクラブ活性化に向けてCLP（クラブリーダーシッププラン）を決議しましたが、日本のロータリークラブは、従来の4大奉仕部門に基づく委員会構成と大きく変更されていたことへの反発があり、導入に慎重になったり、遅れたりするクラブもありました。
201６年の規定審議会では、今までの例会や職業奉仕を重視してきたロータリー活動から、例会開催や職業分類もクラブの自主性に任せるという日本のロータリー運動とは考えが違う方向に変わりました。
私の入会時には地域の職業人が集まり、切磋琢磨して仕事を通じて、世の中に貢献するのがロータリーの基本と教わりました。
この素晴らしいロータリー運動も21世紀を迎えた頃から少しずつ変化が見えてきました。アメリカやカナダ、日本などロータリー先進国でも会員数が減少し、その活動も次第に人道的なボランティア活動が強調されるようになってきました。
会員資格・職業分類制度・例会の月４回開催といった初期のロータリーの原理原則までも大きく変化してきました。ロータリーはこれで良いのかと言うベテランロータリアンもいます。
 
とは言いながらも、私は国際ロータリーの地区内に一人しかいない役員です。
変化しつつある国際ロータリーの考えを、しっかりと会員の皆様に伝えて2730地区全ロータリークラブの発展に努めていきたいと思います。
現在CLPに基づく委員会構成は定着してきましたが、CLPに基づくクラブ活性化に向けての行動計画（戦略計画）を達成し実践されているクラブは少ないように思います。
当地区でもクラブ活性化にむけて地区の戦略委員会を中心に、クラブの長期計画、クラブ内に戦略委員会設置を奨励するなどの計画を実施してきました。いまだ計画の実践や、年度ごとの進捗状況のチェック、見直しなどに取り組んでいるクラブは多くないと思います。
改めて地区の行動計画を見ますと、主なものは次の通りです。
・クラブ戦略計画の立案と実行を推奨する
・ポリオ根絶活動においてロータリーが果たしている役割を広く伝える
・地区財団活動資金を活用することで、地域社会及び海外でのプロジェクトを増やす
・ロータリー財団や米山奨学会への寄付を増やす
・既存会員を維持し、新入会員の入会を促進する
・新しいクラブを結成する
・女性会員や40歳未満の若い会員の増加を図る
・クラブや地区リーダー育成のため、RLI研修への参加を促す
・メディアとの関係を強化し、ロータリーとその活動を広報する。
・地区委員会組織、委員構成の見直しにより、地区運営の最適化を図る
 
この地区の行動計画をベースに、最近の地区の動きに沿い乍ら今年度の地区の活動計画を定めました。
その主なものは次の通りです。

　　「想像してください、私達がベストを尽くせる世界を」
　　会員全てが積極的に参加し、やりがいのあるロータリーライフを与えるよう努める

　　既存クラブの会員増強と新クラブの設立特に女性会員の比率向上を目指す。
３．ロータリー財団への寄付推進
　　補助金を活用した奉仕プロジェクトを実施するため、寄付募金活動を推進する。
４．ポリオ根絶への寄付の推進
　　世界に約束したポリオ根絶を達成するための寄付推進。
５．米山記念奨学会への寄付の推進
　　日本と世界の架け橋となりロータリーの理想とする国際平和の創造と維持に
　　貢献する外国人留学生を育てるための寄付の推進。
６．青少年育成の推進
　　・インターアクト、ローターアクトの会員の拡大を支援し、それぞれの奉仕活動を
　　　サポートする。
　　・ライラの活動をコロナ前に戻して、青少年指導者の育成に努める。
７．公共イメージ向上の推進
　　ロータリー活動を広くマスメディアに公開し、ロータリーの認知度を高める。
　　特にポリオ撲滅に対してのロータリーの貢献度を広報する。
８．クラブ奉仕部門の活動支援
　　クラブ例会や地区の諸行事は昨年から今年にかけてのコロナ過で一変しました。
　　緊急事態宣言下において例会を休会にするクラブも多かったですが、次第に
　　ZOOMやハイブリッド型で開催するクラブも増加してきました。アフターコロナ下に
　　おいて何らかのルール作りを検討していく。
９．ロータリー奉仕デー及びIMの実施
　　ロータリアンだけの奉仕活動ではなく、ローターアクト、インターアクト、会員家族、
　　会員企業従業員までを巻き込んだロータリー奉仕デーを開催する。
　　IMもロータリー広報の一環として、グループ単位又は連合で開催する。
10．地区運営マニュアルの活用促進
　　2730地区では風呂井ガバナー年度に。地区の運営マニュアルを制定し、各クラブにも
　　配布しています。地区の運営にも機能しており各クラブの皆様にも充分読み込んで頂き、
　　地区の在り方にも関心を持って頂きたいと思います。
 
 
最後に地区で取組みたいのが、ジェニファー・ジョーンズ会長が最も力を入れている「ＤＥＩ」です。
DEIは2019年1月のRI理事会で決定され
ダイバーシティ（多様性）　エクイティ（公平性）そしてインクルージョン（包みこむ）
それぞれの頭文字をとったものです。
ロータリーは多様性を尊重し、年齢、民族性、人種、肌の色、能力、宗教、性別志向
どんなバックグランドの人々の貢献も称え会員として受け入れます。　
ロータリーの最優先事項は会員基盤の成長と多様化によって地域社会をより良く反映したクラブをつくり、あらゆる文化、経験、アイデンティティの人の参加を促すことです。
ロータリーはさまざまな人が参加できる開放的な組織、すべての人に公平で、善意を築き、社会に役立つ組織作りです。
 
この目標を実現するため、RI理事会は、多様性、公平さ、包摂さに関する声明を採択しました。
地区での取り組みとしまして
1，ジェニファー・ジョーンズ会長エレクトは2023年度までに女性会員比率を30％に高めるよう求めていますが、2730地区では各クラブの自発的な女性会員増加の数値目標を戦略計画に求め、女性リーダーを地区委員にも出向させる環境づくりも推進します。　　女性会員比率　今年度地区目標１２％　（参考2022年4月末9.7％）
２，地区内にDEIの委員会を立ち上げます。
３，多様性や、公平性に詳しい専門家を招き、勉強会を実施します。
 
最後に
ロータリー日本財団理事長の千玄室さんはＲI理事を務め、京都ロータリークラブに66年も皆勤出席しているロータリアンであり、茶道裏千家の大宗匠でもあります。
1923年4月19日生まれで99歳の今も元気に活動しています。
千さんは昨年開催された京都ロータリークラブ95周年の記念講演のなかで、
ロータリーの意義はと聞かれ「友を作り、奉仕し、国際的な視野を身に着けること」と説いています。
ロータリーを簡単にいえば、自分を磨き、人を育て、時には慈善行為、ボランティア活動を行う世界的な団体です。
いまロータリーは多様性を認め、柔軟なクラブ活動を容認する方向に大きく変換しようとしています。私はこういう時代の流れを否定はしませんが、日本のロータリー運動の創始者米山梅吉氏が訳した「奉仕の理想」を理解し、決議23－34「最もよく奉仕する者、最も多く報われる」を今一度噛みしめ、ロータリーの良さやアイデンティティを確認していきたいと思います。
 
以上でガバナーアドレスを終わります。