「米山月間」である10月は、毎年恒例になりますが、米山記念奨学委員会は奨学金事業について紹介させていただきました。今年は世界各地で活躍する米山学友の情報をまとめた「米山学友の群像 学友会特集号」より事業の歴史と成果に関する掲載を引用して、 紹介したいと思います。
●ロータリー米山記念奨学事業とは
公益財団法人ロータリー米山記念奨学会は日本のロータリーが協同して運営して、日本全国のロータリークラブ会員の寄付金を財源として、勉学、研究を志して日本に在留している外国人留学生に対し、奨学金を支給し支援する民間の奨学財団です。
奨学財団は1952年、日本のロータリーの礎を築いた米山梅吉氏の功績を記念して、東京ロータリークラブによって設立されました。設立以来、事業の成長とともに、1967年には財団法人として設立の許可を受け、2012年に公益財団法人に移行しました。これまでに世界129の 国・地域出身の21,624人(2020年6 月現在)におよぶ外国人留学生を支援し、今日では、事業規模と採用数において、民間で最大の国際奨学団体となっています。
この奨学金の最大の特長は「世話クラブ・カウンセラー制度」による留学生の心のケアを重視することであります。
奨学生には毎月1回以上、世話クラブの例会に参加することが義務づけられており、奨学金もそこで手渡されます。そのほかにも、奨学生には、クラブの例会で母国のことや自分の研究について卓話(スピーチ)をしたり、クラブ・地区の社会奉仕活動、交流会や研修旅行に参加するなど、ロータリーの活動を通じて、日本文化や地域社会と触れ合うさまざまな機会が提供されます。この制度は、国費や他の奨学金制度には無い魅力として、留学生が平和を求める日本人と出会い、互いに信頼し合う関係を築き、「世界の懸け橋」となる機会を自然と与えることができます。
世話クラブ・カウンセラーになったロータリアンからも、目に見える国際交流や奉仕が肌で実感できたなどの嬉しい声が寄せられています。
●米山学友会の活躍
米山学友会は、学友と現役奨学生によって組織される米山記念奨学生の同窓会組織で、奨学金事業の大きな成果であります。現在、日本国内に33、海外 に9(台湾・韓国・中国・タイ・ネパール・モンゴル・スリランカ・マレーシア・ミャンマー)の計42の米山学友会があります。いずれの学友会も、会員同士、会員とロータリアンとの親睦を深めたり、地域のロータリー地区と協力して奉仕活動を行うなど、さまざまな活動をしています。
今回の「米山学友の群像 学友会特集号」は、主に「CLOSE UP ! 学友会」の特集となり、日本及び世界での学友会の色んな活動や感想を記載しております。
「CLOSE UP ! 学友会1」、台湾米山学友会 多彩な人材と奉仕の力で日台の懸け橋
海外初として1983年に創立してから、長年にわたる歴代理事長と学友の努力により、台湾米山会は、素晴らしい事業を多く行い、日本の米山の文化と伝統を継承しています。 台湾と日本は常に良好な関係にあり、日本が大きな災害に遭うと、台湾の米山学友たちはすぐに募金と支援活動を開始します。この感謝の気持ちは、
米山の「献身、奉仕、報恩」の精神にのっとったもの。現在の米山奨学生たちも自分の能力を高め、将来、ロータリーと社会にお返しできる人材となるよう願っています。 記事には、「米山という名が心に刻まれ、温かな印となり、日本留学中にお世話になったことを思い出すたび、ご恩をお返ししたくなります。私たち台湾の米山学友は、社会奉仕の価値と意義を感じながら、楽しく活動しています。
米山に参加し、自ら履行し、心がより潤う。米山に参加し、善意を持ち、熱意がさらに高まる。米山に参加し、感謝を思い、恩返しの思いが湧く泉のように絶えない。米山に参加し、愛を持ち、自信と活力が身に付く。これからも、この思いを皆で共有し、ますます充実した活動ができるように、一緒に頑張ってまいります」という呉理事長の思いが書かれています。私は呉理事長の思いがほとんどの学友達の共通思いを代表していると、思っております。
以下、タイトルだけの紹介になります。
「CLOSE UP ! 学友会2」、第2620地区米山学友会 地区とクラブとロータリアンと共に
「CLOSE UP ! 学友会3」、関西米山学友会 Action with Smileで、活動を楽しもう!
「CLOSE UP ! 学友会4」、モンゴル米山学友会 一大イベントを控え、団結強化中
「CLOSE UP ! 学友会5」、タイ米山学友会 人のため、地球のためになる活動を
「CLOSE UP ! 学友会6」、北関東米山学友会栃木(第2550地区) 今も昔も、ロータリアンと手を携えながら
「CLOSE UP ! 学友会7」、第2780地区米山学友会 学友会が歩む、新たな道
「CLOSE UP ! 学友会8」、ミャンマー米山学友会 奉仕できる幸せを実感しながら
「CLOSE UP ! 学友会9」、第2790地区米山学友会 縦・横・外につながりを広げて
「CLOSE UP ! 学友会10」、米山奨学成学友会(兵庫) アイデアを重ね、活気ある組織へ
「CLOSE UP ! 学友会11」、マレーシア米山学友会 思いをつないで歩む先にあるもの
「CLOSE UP ! 学友会12」、スリランカ米山学友会 亡き会長の思いを乗せて
「CLOSE UP ! 学友会13」、ネパール米山学友会 日本から託された善意をつないで
「CLOSE UP ! 学友会14」、韓国米山学友会 日韓を結ぶパートナーたち
「CLOSE UP ! 学友会」は、色んな活動の紹介や現場写真を通じて、学友達の生の声など体験レポートなどを届けてくれて、活動への興味や理解を深めることができて本当に良かったです。
gunzou_gakuyukai.pdf (rotary-yoneyama.or.jp)
モンゴルで強く固く結ばれた絆「絆 in モンゴル」開催リポートによると、2019年7 月 27 ~ 28 日(2019 年)の 2 日間、モンゴルの首都ウランバートルにおいて、米山学友による第 2 回世界大会「絆 in モンゴル」(モンゴル米山学友会主催)が盛大に開催されました。
2017 年 8 月に米山記念奨学会の財団設立50 周年を祝し、世界の米山学友が集まって開催された「感謝 in 熊本」大会で、今後も 2 年に一度、世界各地から米山学友が一堂に会すことを申し合わせ、その際、次の開催地がモンゴルに決まりました。実行委員会の熱意が功を奏し、モンゴル大会には世界 16 の国・地域出身の学友、ロータリアン、家族など、総勢 548 人が登録、モンゴル以外からの参加者は 383 人に上り、過去最大規模の学友会主催イベントとして米山記念奨学会に新たな歴史を刻むことになりました。
米山財団がこんなに大きく成長できるまでは、本当に大変な時期も困難もたくさんありました。でも、米山記念奨学会 副理事長(2003-04 年度 第 2660 地区ガバナー) 若林 紀男氏のおっしゃるように、「米山記念奨学事業は学資支援と人材育成の二本柱ですが、人材育成は、1 ~ 2 年の奨学期間で完結するわけではなく、むしろ終わってからのロータリアンとの関わりで成されるもの」だからこそ、地域を超えて、国を超えて、何十年も引き続き、活動と絆の輪が広がっていくことでしょう。
米山奨学金のシンボルマークは重なり合うハートです。重なり合うハートは、「ロータリアン」と「奨学生」を象徴しています。外国人留学生の支援・交流を通じて国を超えた信頼関係を築き、世界の平和を願う心を育てるという、事業創設の願いが込められています。手は、そうした心を生み出すと同時に、当事業がロータリアンの手で支えられていることを示しています。実際ロータリアン一人一人の寄付金の力には制限がありますが、日本全国のロータリークラブ会員の寄付金を財源として支援できたからこそ、こんなに多くの活動の感動を得られたものです。
今後も皆さんで一緒に、米山奨学事業が絶やすことなく、またさらなる発展が出来るように、力合わせましょう。引き続きご支援、ご協力を、どうぞよろしくお願いいたします。