囲碁界のトッププロの１人である韓国の棋士が囲碁用の人工知能（ＡＩ）に１勝４敗で負けたというニュースは世界的な話題として注目されたようだ。すでに、オセロ、チェス、将棋はＡＩに敗北しているが、囲碁はオセロなどに比べ手数が格段に多いし、複雑多岐になるため、ＡＩも囲碁には勝てないだろうとみられていた。それだけに、今回のＡＩの圧勝は少なからぬ衝撃を与えた。

 

人工知能についてはアメリカや日本をはじめ世界各国が競って研究を進めている。これまでのコンピューターとどう違うのか。これまでのコンピューターは人間が教えたことを、教えた通りにやる。しかし、ＡＩは自ら学習し、自ら判断して問題を解決する能力を持つ。囲碁用のＡＩも入力された１０万局もの対局記録で徹底的に学習し、囲碁に欠かせない先を読む能力や直感力などを磨いたという。今後、こうした有能なＡＩがいろんな分野で活躍する時代が来るというのだ。

 

しかし、これで人手不足の解消になると、喜んでばかりはいられないようだ。週刊朝日（２月１２日号）の特集「ＡＩに負ける仕事　負けない仕事」によると、１０年～２０年後には人間がやっている仕事の半分はＡＩに取って替わられるという。野村総合研究所が専門の研究者と共同で日本国内の約６００種の職業について、ＡＩやロボットに代替される確率を試算した結果だそうだ。

 

一般に単純な作業や事務系作業が分が悪いが、もちろん、それだけではない。勝敗一覧表を見ると、専門職系では弁護士や会計士、運輸系ではタクシーや路線バス運転手、作業系では建設作業員にビル清掃業、食品加工作業員、職人系では自動車組立工、測量士、工夫のない農家、コミュニケーション系ではホテルやスーパーの従業員、銀行窓口係、駅員、警察官などのほか国会議員も。「政治家は異なる価値判断の中から限られたリソーズを配分することが本来の仕事。ＡＩで価値判断の評価システムができるようになれば、ＡＩが政治家の役割を果たした方がよい社会になる」ということらしい。

 

一方、勝ち組の方は、コミュニケーション系とクリェーティブ系が分がいいようだ。コミュ二ケーション系では医師、保育士、幼稚園や小中学校の教員、テレビタレント、美容師、獣医師など、クリェーティブ系では映画監督、漫画家、評論家、作詞家、作曲家、広告デレクターなどが並ぶ。

いずれにしても、この時代になると、人間はＡＩにできない仕事を見つけなければならなくなる。さて、どんな仕事があるだろうか、不安を覚える人も多かろう。しかし。不安は仕事ばかりではなさそうだ。人間にとってもっと恐ろしいことがあるという。

 

技術が人類の未来に与える影響を研究している英オックスフォード大学のニック・ボストロム教授は朝日新聞のインタビュー記事で、「ＡＩが人類を滅ぼす可能性はあるか」という質問に対し、「あり得ると思います。人類よりはるかに知的なものが登場し、それが人類を滅ぼしたりしないよう、しっかりと手を打っておかない限りは」と語っています。現在、ＡＩを人間の知能に如何に近づけるか、を目指して研究が進められているという。ボストロム教授によると、人並みか、あるいはそれを超える知能を持った機械がいったんできれば、物を発明する点でも人間を超える能力を持つことになり、さらに優れた知能をすぐにつくることができるし、自分自身をコピーや改造したり、新しいＡＩロボットをつくることもできるようになる。そうなると、ＡＩは人間の手を離れてしまうだろう。

人類全体がリスクに直面するか、恩恵を受けるか。要は、ＡＩをどうコントロールするかだという。そのためには、ＡＩのレベルアップの研究と同時に、ＡＩの安全性についての研究も進めるべきだ、とホストロム教授は警告する。

 

昆虫学者の父といわれるフランスのアンリ・ファーブルは、こんな予言を残しています。

「人間というものは、進歩に進歩を重ねたあげくの果てに、文明と名付けられるものの行き過ぎのために自滅して斃てしまう日が来るように思われる」

 

これまでの長い文明の歴史を振り返りながら、さらに進化を続ける文明と人類の関係について考えてみる機会としましょう。

 

【幹事からの連絡】
●「宮崎県西部分区ＩＭ」について
　2016年4月16日（土）に小林市で開催されるＩＭの案内をメールでお送りいたしました。
　内容をご確認いただき、出席の可否を 3月31日（木）まで にご連絡ください。
　（出欠の返事がない方が数名いらっしゃいます。お忙しい時期ですが、報告をよろしくお願いいたします。）
　　

『ポリオ撲滅キャーペーン・in鹿児島 街頭募金活動』について

奉仕プロジェクト委員会　宮本健児

一生成香　Ｎｏ．２６　　「東日本大震災と私と～」

　　研修リーダー　菊地　平

 
皆さんは2011年3月11日何処で、何をされていましたか？
明治以来最大の地震で、中でも「国内最大級」の津波は「100年に1回クラスの規模」という、すさまじさで、今もって死者･行方不明者は18,455人にものぼっています。
その時、被災地2520地区(岩手・宮城)の同期ガバナー桑原さんは、第2720地区（大分、熊本）の地区大会にRI会長代理としてご夫婦揃って訪問の最中でした。本人の会社は塩釜市ですから～熊本から東京へ、東京から塩釜市までは、ロータリアンがリレーし車を乗り繋いで～あとは報道の通りの大災難に出会ったのでした。

～当時私は、倒産・退会して、2年半後のことになります。
　2005年度同期ガバナーは34地区・34名で「新世紀の会」という親睦･連絡会を作っていました。2011年3月23日代表（東京）の市川さんより、メールが配信されてきました。それには、ロータリーとしての寄付は別として、次のような品物を各自手配下さい～ということでした。
　赤ちゃん用のおむつ、パンツ、ミルク、おしりふき、離乳食、介護老人用パット、パンツ等が急ぎます。～配達ルートは確保されていて別紙の通りです。～～地区対応では時間がかかりますから、市川さんのクラブでは、高島屋に依頼して、次に急いでいる子供用下着、靴下､生理用品、お菓子類８０万円相当を手配しました。2便では生理用品、幼児用目薬、老眼鏡（100円Shopにあるので良い）などと、のメールでしたが、出来たら、小学1年の新入生にランドセルの中古でもいい、いくつでも～～と切なる願いが書かれていました。
　私は、当時ロータリアンの資格は持っていませんでしたが、早速ランドセルに限って、行動に移しました。宮崎市内６クラブの会長・幹事を訪問しお願いをする一方、私の長男が日向学院PTA会長でしたから、まず日向学院に、また長男の嫁の父親が第一高校中学校長でしたから、そこにも～～と慌しい一日でした。被災地の新入学式は、1ヶ月延びて５月１日に延期になります。早く、いくつでも～と再度言ってこられました。
　そして１週間で集まったランドセルは３７８個になりました。こんなに早く沢山集まるとは～きっと被災地に対する思いは親も子供も心一つになっての結果だったのでしょう、想像以上の結果でした。その中に、なんと宮崎RCは新品を50個（200万円相当）でした。宮崎西RC30個、宮崎南RC68個、それにお願いした2校から230個＝合計378個～～途中経過は省きますが、宮崎西RCからは、ランドセル全部に文具を入れていただきました。集荷し、箱詰め荷作りし、発送できたのは、RC事務局の事務員と宮崎西RCの労力有って大変でしたが、元ロータリアンの長男と達成感ある奉仕となりました。
　ランドセル中古と言っても、女の子が使っていたのでしょう、ほとんど新品かと思える手入れのもので、赤色が50％　～中には送り主の子供が手紙に小銭に文具類を入れたのでしょう。その手紙を読むうちに作業の手が止まってしまう場面が何回もありました。
　ランドセルは一つの大きな箱に、6個づつ箱詰め出来ましたが、急なことで送るダンボール函には思い至らず、困っていたのでしたが～宮崎西RC会員・日高菓子さんの無償提供あって大助かり、63個口、運賃だけでも、16万円になるのを宮崎西RCから拠出いただいて、無事発送～～終わったのは、4月13日、無事被災地の新一年生入学式には間に合わせることができました。ランドセルを受け取った被災地の子供から送り主へ手紙の交換があっているのかもしれません。奉仕の善意は風となって、今も私達の上にあります。
 
　わがEクラブの方はほとんど入会3年未満ですから、当時の地区義捐金について述べてみます。
　地区としては、一人1万円を災害義捐金として、2350名の全会員から集められました。それが、ガバナー会に送られました。～～ところが全国的な問題が発生しました。

～問題提起は「源流の会・会長・田中毅PG」からでした。
～～ときのガバナー会に全国から集められた義捐金は9億6100万円で、そのうち被災地区に送られた義捐金は僅か1億2300万円に過ぎず、残りの8億2800万円はガバナー会にプールされ、今後5年かけて、さらに寄付を募って被災児童の奨学金プログラムに使うということを決定しました。
　奨学金制度はいい事業に違いありません。しかし、それを決めるのはガバナー会ではなく、地元の地区やクラブのはずです。
　ガバナー会はロータリー章典にも定款･細則にも規定されていない非公式の組織です。従って審議権も執行権ももたない、単なるガバナーの親睦と連絡調整機関に過ぎません。その証拠に単なる世話役として東京から交代に議長を出しているわけです。正式な組織ならば、そんないい加減な方法で役員をきめることは有り得ません。
　しかし、ガバナーの上部機関だと錯覚した議長が現れて、物議をかもす年度もあるようです。ガバナー会が何の権限を持って、全国から集められたロ－タリアンの善意に基づく義捐金の配分や使途をきめるかの理解に苦しみます。
　行政の対応の不手際から、被災者は先の見通しもつかず困りはてています。その被災地のニーズを一番よく理解しているのは地元の地区やクラブです。そのクラブでさえ、多くのクラブの存続を危ぶまれています。クラブが健全さを回復しなければ、ロータリーの活動そのものが成り立たなくなるのです。
　ロータリーの社会奉仕活動として地元のニーズに従って行う活動は沢山あります。今こそ、その絶好の機会かもしれません。そのためには自由に使うことができる、生きたお金が必要です。
　私たちは、5年後の奨学金のために震災義捐金を出したのではありません。
　ただちに、ガバナー会でプールしている義捐金全額を、被災地に分配するか、それとも一旦地区に返却して、地区から被災地区に送るよう要請します。被災地区やクラブが義捐金をどのように使おうとも、それは地区やクラブの自治権の範疇にあると思います。
　ロータリーは縦社会ではありません。ガバナー会は、当該年度のガバナーの親睦および連絡調整機関であって、地区やクラブの活動を束縛したり、このような決定や活動をする権限が無いことを改めて申し添えます。
～～（これは源流の会・代表・PG田中毅さんが「炉辺談話」を通して、私も所属していました全国源流の会・会員へ発信された冒頭部分を抜粋したものです。それが契機となって、全国地区に返金されたのですが？）

　さて、わが2730地区は当時2350名在籍会員×1万円を集めて送りましたが、結果￥12,238,544返金されて、改めて2520地区と2530地区へ500万円づつ送金されたものです。勿論クラブから別途被災地へ送られたクラブもあったはずです。
　私は当時の詳細を知る立場にはありませんでしたから、これ以上は承知しておりませんが、ガバナーと地区とクラブの関係は少しお判りいただけたかと思います。特にクラブには自治権があるということです。

　～次回はお金の使い方をお話しようと、思います。
　自分のお金を自分のために使う。自分のお金を他人のために使う。他人のお金を他人の為に使う。他人のお金を自分のために使う。次回一緒に考えて見ましょう。