ロータリーE-クラブは一般のクラブ(Traditional Club)とその活動に於いて異なるところはありません。
毎週例会を開き、奉仕プロジェクトを実施し、ロータリー財団を支援し、会員同士の親睦を深めます。
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ロータリーに関する資料を集めてみました。参考にしてください。

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TOP »例会 »15-16年度 » 第25回例会(通算第71回例会)
この例会への参加の受付は終了しています

第25回例会(通算第71回例会)

例会の開催期間:2016年2月 1日正午 ~ 2016年2月 7日正午

例会プログラム

四つのテスト

ロータリーの目的

新「ロータリーの目的」
ロータリーの目的は、意義ある事業の基礎として奉仕の理念を奨励し、これを育むことにある。具体的には、次の各項を奨励することにある。

1.知り合いを広めることによって奉仕の機会とすること。
2.職業上の高い倫理基準を保ち、役立つ仕事は全て価値あるものと認識し、社会に奉仕する機会としてロータリアン各自の職業を高潔なものにすること。
3.ロータリアン一人一人が、個人として、また事業および社会生活において、日々、奉仕の理念を実践すること。
4.奉仕の理念で結ばれた職業人が、世界的ネットワークを通じて、国際理解、親善、平和を推進すること。

付記
「ロータリーの目的」の4つの項目は、等しく重要な意味を持ち、また同時に行動をおこさなければならないものであるということで、RI理事会の意見が一致した(ロータリー章典26.020)

ロータリーソング

1.奉仕の理想

奉仕の理想に 集いし友よ
御国に捧げん 我等の生業
望むは世界の 久遠の平和
めぐる歯車 いや輝きて
永久に栄えよ
我等のロータリー ロータリー

 

2.それでこそロータリー

どこで会っても やあと言おうよ
見つけた時にゃ おいと呼ぼうよ
遠い時には 手を振り合おうよ
それでこそ ローロー ロータリー

 

3.手に手つないで

手に手つないで つくる友の輪
輪に輪つないで つくる友垣
手に手 輪に輪 ひろがれまわれ
一つ心に おおロータリアン
おおロータリアン

 

4.ありがとうロータリー

富士の高嶺みつめて 地に足を踏みしめ
喜びと誇りを胸に 今もこれからも
ありがとうロータリー
出逢えた奇跡 奉仕の理想に向かって
ありがとうロータリー
分かち合うしあわせ
共に歩もう 未来をみつめて

それぞれのなりわいを それぞれの方法で
歩んできた だから今 新しい道がある
ありがとうロータリー
出逢えた奇跡 奉仕の喜びに向かって
ありがとうロータリー
分かち合うしあわせ
共に歩もう 未来をみつめて

ありがとうロータリー
出逢えた奇跡 奉仕の理想に向かって
ありがとうロータリー
分かち合うしあわせ
共に歩もう 未来をみつめて

君が代

会長の時間

会長の時間会長 桐明 桂一郎

今月は「平和と紛争予防╱紛争解決月間」ですが、残念ながら世界は今、「テロとの戦争」の真っただ中にあります。「未組織の第3次世界大戦」とも言われています。これまで戦争といえば国家と国家の戦闘でしたが、この戦争はアメリカやフランスなど複数の国家対中東を中心にしたテロ組織という新しい形になっています。しかも、国家側は連合を組んで専らテロ組織への空爆を繰り返し、テロ側はアメリカ、フランスをはじめ世界各国で残虐な自爆テロなどで反撃し、双方で多くの犠牲者が出ています。なぜ、こうした戦争が起き、解決の糸口さえ見えない報復の連鎖が断てないのか。日本も決して傍観者ではいられませんが、日本人として、その辺の事情を理解するのは容易ではありません。
 
まず、中東の歴史をはじめイスラム教とはどんな宗教なのか、過激派武装集団の主力とみられているイスラム国(IS)とはどんな組織で、その目的は何かなど、戦争の背景にあるものを知る必要があります。新聞、雑誌などで解説されていますが、私にとってはテレビなどでもお馴染みのジャーナリスト,池上彰さんの著書「これが『世界のルール』だ!」が分かりやすく、参考になりました。
 
戦乱のそもそものきっかけは「アラブの春」でした。北アフリカのチュニジアで始まった民主化運動はエジプト、リビア、シリアに飛び火し、チュニジアやエジプトなどでは長期独裁政権が倒れましたが、アサド大統領の独裁政権が続くシリアでは成功せず、内戦状態へと移行します。ここで問題になるのが、イスラム教の宗派の対立です。イスラム教の指導者(カリフ)を選ぶ際、創始者、ムハンマドの血筋を重視するシーア派と血筋とは関係なく選ぶスンニ派という二大宗派があり、対立状態にある。アメリカのイラク戦争後、多数派のシーア派が政権を握り、少数派のスンニ派にとっては住みにくい国になります。そこに登場したのがスンニ派の過激派組織の「イスラム国」でした。「イスラム国」は隣国のシリアにも侵入し、両国のスンニ派の支援を受けて勢力を強め、外国からの志願兵も集めて強力な武装集団になっていきます。オスマン帝国の崩壊後、消滅していたカリフ制を復活、「神の言葉」に従って敬虔な暮らしをするイスラム原理主義国家の樹立を目指しているのです。
 
さて、この「テロとの戦争」を、どう終わらせるか。空爆だけで終らせることはできない、というのが大方の見解ですね。空爆ではテロリストだけではなく、多くの住民も巻き添えや誤爆で犠牲になっています。母国を追われた難民や国内避難民は6000万人を超えるといいます。欧州では各国に難民排斥の動きが出ています。空爆による攻撃、テロによる反撃という「報復と憎悪の連鎖」を断たねばなりません。そのためには最終的には軍事力ではなく、政治的な交渉、話し合いによる決着が求められます。
 
先日の朝日新聞にほっとするような記事がありました。
アラビア半島の小国オマーンという国では、スンニ派もシーア派も同じ礼拝所で一緒に礼拝しているそうです。この国の特徴は「寛容である」ことで、顔を覆う「ニカブ」をつけていない女性も多く、宗派間の結婚も珍しくないという。もちろん、過激派のテロもなく「中東のスイス」と呼ばれている。互いに反目、敵対しているイスラム各国とも良好な関係を保ち、専ら仲介役を務めているそうだ。
 
国際社会は希望を持って、粘り強く和平に向けて取り組んでいかねばなりません。世界平和の実現を目指す「ロータリー平和センター」プログラムに取り組むロータリーも国際社会と共に、「紛争解決」に向け、貢献していかねばならないと思います。
 

幹事・委員会報告

幹事報告幹事 今柳田 幸代

【ご案内】
Eクラブに関する案内
【理事会報告】
報告事項はありません。
 
【幹事からの連絡】
●鹿児島西RC主催の研修会の案内が届きました。
 『他クラブの行事等に関する案内』のところに詳細を記載いたしましたので、ご確認いただき、参加についてご検討ください。私たちEクラブのスポンサークラブである鹿児島西RCです。ぜひ、ご参加ください。


地区及び分区に関する案内
●「第3期RLI-2730パートⅡ」のご案内 
 日 時:2016年2月7日 (日)  受付 9:30~10:00
     開会式・オリエンテーション     10:00~10:25
     1時限目分科会 ①~⑥           10:30~11:15
     2時限目分科会 ①~⑥      11:25~12:10
     昼食・全体会議室(大ホール)   12:15~13:00
     3時限目分科会 ①~⑥      13:00~13:45
     4時限目分科会 ①~⑥      13:55~14:40
          5時限目分科会 ①~⑥      14:55~15:40
          6時限目分科会 ①~⑥        15:50~16:35
     閉会式・講評・評価表提出   16:50~17:20
 場 所:宮崎日本大学学園 宮崎日本大学高等学校
                (宮崎市大字島之内6822-2   電話:0985-39-1121)
 登録料:5,000円 (当日受付にて現金で申し受けます)
     ※尚、登録料につきましてはクラブ負担
 昼食代: 800円 (当日受付にて現金で申し受けます)
 今後の予定:第3期RLI-2730パートⅢ 2016年5月(予定)

●「地区次期チーム研修セミナー(2016-17年度)」のご案内
 期 日:2016年2月13日(土)~14日(日)
 場 所:指宿いわさきホテル
 参加対象者:2016-17年度地区役員予定者 (菊地さん、戸高さん)

●「地区クラブ研修委員会研修会」のご案内

 日 時:2016年2月21日(日) 受付 12:30~  研修会 13:00~16:45
 場 所:メインホテル 5F (都城市上町8-9 ☎0986-23-3131)
 内 容:三木明PG(姫路RC)による講演、グループディスカッション など
 登録料:2,000円 (当日、受付にて徴収)
 参加対象者:クラブ管理委員会委員、親睦委員長、クラブ研修リーダー、出席委員長、SAA
       (クラブから2名以上参加)
 登録〆切:2016年1月29日(金)

 *参加予定者 菊池さん、小牧さん

●「宮崎県南部・西部分区 ライラ」のご案内 

 日 時:2016年2月28日(日) 受付 10:00~  研修会 10:30~16:30
 会 場:メインホテル 5F (都城市上町8-9 ☎0986-23-3131)
 内 容:テーマ「ボランティアとは」
     音楽家きりんさんのコンサート、講演、グループ討議 など
 登録〆切:2016年1月19日(火)
 
 *2~4名の研修生参加の要請があります。小牧さんの紹介で1名が参加予定です。

●「入会3年未満の会員のための研修会」のご案内 

 日 時:2016年4月2日(土)~3日(日)
      4月2日(土)13:00~ 研修会  18:00~ 懇親会
      4月3日(日)9:00~12:00 研修会
 会 場:メインホテル (都城市上町8-9 ☎0986-23-3131)
 登録料:研修会 2,000円  懇親会 4,000円 (当日、受付にて徴収)
 宿泊について:希望される方は メインホテル(朝食付き 5,500円)に宿泊できます。
 登録〆切:2016年2月19日(金)

 *対象の会員の皆さまへはメールにて詳細な資料をお送りいたしました。内容をご確認いただき、参加の可否について返信メールで幹事(今柳田)へ 2016年2月10日(水)までに、お知らせください。
 *参加予定者 岡村さん、菊地さん、池さん (2016年1月24日現在)


●「国際大会」のご案内
 開催日程:2016年5月28日(土)~6月1日(水)
 開催地:韓国 ソウル

 * 池さん、戸高さんの登録を行いました。
 今回の「RIソウル国際大会」は、前回の「大阪国際大会」以来の13年ぶりのアジアでの開催です。期間中、世界のロータリアン4万人、日本からは1万人。そして、当地区からは200名以上の参加要請を受けております。
 国際大会は、世界のロータリーを展望できる格好の機会です。何より、世界200ケ国以上のロータリアンと一同に会します。そして、大会の花となる「開会式(5月28日)」は、お国柄が如何なく発揮され華やかなる大感動の祭典です。そして、当地区では開会式前夜祭として、「2770地区ガバナーナイト(大懇親会)」を開催の予定です。これにあたりまして、当地区ではガバナー事務所が窓口となり、鹿児島・宮崎各県100名、計200名(配偶者・ご家族含む)を募集致しております

 
 
全国ロータリーEクラブフォーラム」のご案内  
 開催日程:2016年5月15日(日) 13:00~18:00
 開催場所:京都ホテルオークラ
 プログラム:13:00-13:30 登録・受付
       13:30-13:50 開会点鐘・開会宣言・国歌と奉仕の理想斉唱・
              来賓紹介および参加クラブ紹介・フォーラム歓迎とご
挨拶
         13:50-14:10 基調講演「Eクラブの経緯と今後の展望」
         14:25-15:00 分科会(3グループ:分科会の進行説明・名刺交換および自己紹介)
            1) クラブ管理・運営部門(例会・クラブ運営等含む)
            2) 会員増強と研修部門
            3) 奉仕活動部門(DDF.WF等の利用と寄付等含む)
         15:15-15:30  分科会の報告(5分×3分科会)
         15:30-15:45  講評・閉会宣言・閉会点鐘
         16:00~17:30  懇親会
            開会挨拶、乾杯
            閉会挨拶・ロータリーソング「手に手つないで」
 登録料:7,000円 (当日、受付にて徴収)
 登録〆切:2016年2月20日(土)

*参加を希望される方は、2016年2月10日(水)までに 幹事(今柳田)へご連絡ください。
*参加予定者 東さん、吉永さん、今柳田
 
他クラブの行事等に関する案内
●「鹿児島西RC 系統クラブ・拡大学習会」のご案内    !! NEW !! 
 期 日:2016年2月28日(日) 受付 17:30~
                開会 18:00~  講演 18:20~
                懇親会 19:20~21:00
 会 場:エルセルモ鹿児島
 講 演:テーマ「元気なクラブの作り方」 中村靖治PDG(2770地区 吉川RC)
 登録料:3000円
 登録〆切:2016年2月19日(金)

 *会員の皆さまへは、メールで詳細な資料をお送りいたします。内容をご確認いただき、参加の可否を 2016年2月15日(月)まで にお知らせください。

●「高鍋RC創立40周年記念式典」のご案内  
 期 日:2016年4月24日(日) 受付 9:00~
                記念式典 10:00~  記念講演 11:00~
                祝賀会 12:30~14:30
 会 場:ホテル四季亭 (高鍋町北高鍋5224 ☎0983-23-0043)
 登録料:10,000円
 登録〆切:2016年2月29日(月)

 *参加希望の方は、2月20日(土)までに、幹事(今柳田)までお知らせください。

●「大口ロータリークラブ創立40周年記念式典」のご案内
 期 日:2016年3月12日(土) 受付 12:30~  式典 13:30~
                チャリティ音楽祭 14:40~16:10  祝賀会 16:40~18:30
 会 場:大口ふれあいセンター1階 アトリウム (受付・式典)
      (伊佐市大口里2845-2 ☎:0995-22-1613)
     大口グリーンホテル (祝賀会)  (伊佐市大口里479-1 ☎:0995-22-7211)
 登録料:10,000円
 登録〆切:2016年1月31日(日)


●「都城西ロータリークラブ創立40周年記念式典」のご案内
 期 日:2016年3月12日(土) 受付 14:00~  式典 14:30~15:40
                講演 15:50~16:40  祝宴 17:20~19:20
 会 場:ホテル中山荘 (都城市松元町3-20 ☎:0986-23-3666)
 登録料:10,000円
 登録〆切:2016年1月20日(水)

 
  *桐明さん、菊地さん、吉永さん、東さん、今柳田が参加予定です。

●「宮崎中央ロータリークラブ創立30周年記念式典」のご案内
 期 日:2016年4月9日(土) 式典 17:30~  祝賀会 19:00~20:30
 会 場:フェニックス・シーガイアリゾート ワールドコンベンションセンターサミット

 *詳細については、2月に案内が届く予定です。案内が届き次第、案内内容を更新いたします。


 
【出席報告】
Eクラブ 出席率
第24回例会(通算第70回例会):2016/1/25~2016/1/31
会員数
出席義務
会員数
出 席
会員数
出席免除
会員数
メーキャプ出席
会員数
出席率
25 25 24 0 0 96.00%
第23回例会(通算第69回例会):2016/1/18~2016/1/24
会員数
出席義務
会員数
出 席
会員数
出席免除
会員数
メーキャプ出席
会員数
出席率
25 25 22 0 0 88.00%
第22回例会(通算第68回例会):2016/1/4~2016/1/10
会員数
出席義務
会員数
出 席
会員数
出席免除
会員数
メーキャプ出席
会員数
席率
25
25
21
0 1
88.00%
 
メーキャップ報告
第24回例会(通算第70回例会)にメーキャップされた方は、以下の3名(地区内2名、地区外1名)でした。
榎本 敏さん    (都城北RC) 佐藤 理さん   (倉敷RC)
  松田 尚美さん  (大分城西RC)
 
【Eクラブ行事等の報告】
●「新年会 鹿児島」の開催報告
 親睦委員会の企画で、2016年1月30日(土)に鹿児島市内で新年会を開催いたしました。
 参加者は8名。会場は、アイムビル15階にある「梅の花」でした。一番の展望の良いお部屋で体に優しい豆腐料理と美味しいお酒を堪能いたしました。

 
【その他 報告】
報告事項はありません。

 

委員会報告国際ロータリー2720地区との意見交換会 報告     直前会長 東 岳也

国際ロータリー2720地区との意見交換会 報告
直前会長 東 岳也
 
 2016年1月27日、国際ロータリー第2720地区(熊本・大分)から、Eクラブの創立に向けた意見交換のため、2015-2016年度地区広報部門 片山 勇 部門長(大分臨界RC)、2015-2016年度 地区職業奉仕委員会 早水 琢也 委員(大分中央)、2015-2016年度 クラブ雑誌・記録委員会 高山 英一郎 委員長(現Rotary E-Club of 2650 Japan会員)の3名が来鹿され、桐明会長と直前会長の東で対応させていただきました。
 サンロイヤルホテルではEクラブの創立、運営をする上での問題点等を話し合い、有意義な意見交換ができました。夜の懇親会では、東がお供をしてさらに交流を深めてまいりました。今回、対応をしてくれたお礼にと、それぞれのクラブバナーを頂きました。
 今後、九州で創立に向け動いている2700地区(福岡)、2740地区(長崎・佐賀)も含め、対応をしていきたいと思います。

左から、大分中央RC、大分臨界RC、Rotary E-Club of 2650 Japanのバナーです。

右から、早見地区職業奉仕委員、片山地区広報部門長です。


メインプログラム

奄美における大島紬の現状と当社の取組有限会社 はじめ商事  元 允謙

奄美中央RCからご紹介いただき、奄美大島で大島紬の製造・販売に携わっていらっしゃる元様とのご縁を頂きました。鹿児島を代表する伝統工芸です。この機会に大島紬について共に学びましょう。「奄美における大島紬の現状と当社の取組」




有限会社 はじめ商事  
  元 允謙 
 
1.大島紬の歴史・現状
 奄美群島地域は、大島紬生産に関して1300年に及ぶ歴史を有し、1975年(昭和50年)には、経済産業大臣が指定する「伝統的工芸品」のひとつとして認定された。「本場大島紬」とは、絹100%で、先染めで、 手織りで絣合わせをして織上げたものであり、軽くて暖かく着崩れせず、着込めば着込むほど肌になじむ着心地の良さと独特の色合いが特徴となっている。深みのある渋い色合いと、精緻な絣、大島紬は、奄美の風土と職人たちの技術が長い年月をかけて磨き上げた、ユニークな織物である。ペルシャ絨毯やフランスのゴブラン織りと並び、世界三大織物に数えられている。
 
 もともと養蚕に適した奄美では、古くから絹織物が生産されていた。当初は日本各地でも見られる草木染めと同じように、奄美に自生するテーチ木(シャリンバイ)などの植物を使って染めた手紬の絹糸が使われていた。島の人々は自分たちが着るために生地を織り、その柔らかさや美しさを楽しんでいた。
 
 「大和世(やまとんゆ)」と呼ばれる江戸幕府支配の時代になると、この奄美独自の絹織物は貴重品として注目されるようになり、1720年(享保5年)頃、薩摩藩へ献上する貢物に選ばれると同時に「紬着用禁止令」が発令され、島の人々は大島紬に袖を通すことができなくなってしまった。この時、島の女性が持っていたテーチ木染めの紬を役人の目を逃れるため水田に隠すと美しい黒褐色に染まった、という逸話が残っており、これが泥染めの起源とされている。
 
 時代が明治へと移り、大島紬が商品として流通し始めると、この「泥染め」の手法が多く取り入れられるようになった。絹糸をテーチ木から取った染料で染めたあと、泥田に浸して染めるという工程を何度も繰り返すことで、泥に含まれる鉄分とテーチ木のタンニンが反応し、化学染料では出すことのできない深い黒色に染め上げることが可能となった。奄美特有の泥の粒子は非常に細かい上に、角がない丸い形をしているため、糸を傷めることもない。また、泥の粒子が付着することにより、保温性も高まる。泥染めの大島紬は、奄美でなければ生み出すことのできない、極めて稀少な織物なのである。
 
 奄美群島における大島紬生産反数は、最盛期には年間35万反(昭和2年356千反、昭和17年358千反)もの反物を製造していたが、近年その数は5千反にまで減少している。それに伴い15歳以上の大島紬就業人口も、ピーク時の2万人余りから2千人へと10分の1に減少した。奄美群島の人口は、ピーク時の2割程度の減少にとどまっているので、かつて奄美を支えた基幹産業が危機的な状況に陥っている状況をよく示している。
 
 日本を代表する伝統的工芸品である「本場大島紬」だが遠くない未来に無くなってしまうかもしれない。奄美が誇るべきこの伝統を残していく方法は、ただ大島紬を作り続ける事や、今ある反物を別の何かに加工する事だけではないはずである。もっと今の時代に合った伝統の継続の方法を検討した結果、現在弊社が取り組んでいる事業について経緯と経過を以下に記す。
 
 
 
2.大島紬を未来へ残す為の取組
 当社は奄美大島の有屋集落で7代続く大島紬の織元で、現在の当主7代目・元雅亮が昭和57年(1982年)に家業を会社組織にし、全国各地の問屋、小売店向けを主体に大島紬の製造販売を行ってきた。また、大島紬の製造だけでなく伝統の技術や道具を用いて様々な物作りに取り組んでいる。近年の急激な落ち込みは、ライフスタイルの変化のスピードに対応出来ず、市場とのミスマッチを生んでしまった事が、原因の1つにあげられる。着物を購入する方が減る一方、「貴重なものなのに、もったいない」「受け継いだ大切な着物だから、何かの形で活かしたい」という声や、呉服問屋、小売店の「お客様が古い大島紬の処分に悩んでおられる」との声が多くある事に気付いた。この声に応えることで、新しい市場を作り出せる可能性があると感じた。また、大島紬製造には熟練した技術と専門の道具が必要不可欠だが、作っても売れないものを作り続ける事は難しい。奄美の育んできた伝統や技術を後世に残していくためには、今の時代に合ったものづくりが急務である。
 
 
 「大島紬」という生地ではなく大島紬を製造出来る設備、技術、職人、材料等こそが大島紬の根幹であり、売れなくなってきた大島紬を校正する要素(締め、染め、織り、など)を取出し、組み合わせを変えたり、新しい物を足したりして新しく売れる物を作り上げる事で結果的に「大島紬」を残す事が出来る。
 
 
 現代のライフスタイルに合った着物でない「大島紬」これを伝統の大島紬を製造する技術・道具・材料を出来るだけ変える事無く作り出さなければならない。
 ここで考えるのは現在ある在庫の生地の2次利用ではなく、最終加工品(洋服、バッグ)に合った生地作りを1から行うということ。従来の「大島紬」はあくまでも着物用であるのでそれを加工して出来る物(着物以外の物)は生地の性質を100%活かした物は難しいと考えられる。さらに加工に関しては産地より上手な人が内地に沢山いるので、そちらに生地を提供する方が産地としては活きるはずである。産地はあくまでも生地を作る事に力を入れた方がよいと考える。
 
 
 「奄美布」とは古い着物を裂いて紐状にしたものを大島紬の製造技術を用いて生地に織り直した当社オリジナル生地の名称。材料の糸も大島紬に使用される糸を用い、新しい道具等は極力必要としない工程で製造している。実際に大島紬の織りを行っている熟練の織り工により織られている。出来上がった生地は元の大島紬とは違い厚みがあり暖かみのある生地になり、丈夫さにおいても大島紬とは比べ物にならないくらい強くなり様々なものに加工する事が出来る。
 
 
 「奄美布」は大島紬に比べ頑強な素材なのでバッグや雑貨、洋服等の加工に適している。これらの市場は着物の市場よりはるかに大きく、購買層も幅広い年代に存在する。大島紬は高くて手が出ないと思っている方や、欲しいが着物を着ないので買う事は無い、という方に提案する事が出来る。また自分の持っている物でオーダーが出来るというのもお客様にとっては大きな魅力である。これは費用対効果の関係で大手が真似し辛く、小さなメーカーの強みである。
 
 当社は大島紬製造技術を活かした新しい商品開発に力を入れているが大島紬の製造をしない、という事ではない。念頭にあるのは大島紬を残す事で、その為に1番いいのは売れる大島紬を作り続けることだ、というのも分かっている。しかし、それで残っていく道を見つけられていない。見つけられるまでに立ち行かなくなってしまわぬように、新しいものづくりが必要だと考え、その為に必要と考えられることをやり続けていき、大島紬を支えるようなもう1つの伝統工芸品を作る事を最大の目標としている。

【作業風景】

【作品】
   

【ホームページ等 Web情報】
はじめ商事 ホームページ
はじめ商事 facebook
伝統サポーターズ



 


今週の例会の質問と課題

今週の例会の質問と課題は・・・

例会の質問

【あなたは次の内容をご存知ですか?】

「2730 ジャパンカレントロータリーEクラブ定款」

第14条 ロータリーの雑誌
第2節 購読料
購読料は、半年ごとに、クラブが、その前払金を各会員から徴収し、RIの事務局またはRI理事会の指定によって購読することとなった地域雑誌の発行所に送金しなければならない。

例会の課題(感想)

Q1)「メインプログラム」についてご意見・ご感想をお書き下さい/

Q2) 例会に参加された感想や会長挨拶・委員会報告等についてのご意見・ご感想など、ご自由にお書きください。/


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